「博多織」と聞くと、多くの方が博多帯を思い浮かべるのではないでしょうか。
実は博多織には、帯だけでなく「着尺(きもの用の反物)」もあります。そして、この博多織着尺は平成23年(2011年)に、博多帯に続いて国の伝統的工芸品として認定されました。帯で培われた高度な織りの技術をそのまま着物へと生かした、非常に希少価値の高い織物です。

博多織着尺づくりは、なぜ難しいのか
博多織は、非常に多くの経糸(たていと)を使い、高密度に織り上げることが特徴です。
帯であれば「締めやすさ」や「丈夫さ」が求められますが、着物は全く異なる性能が必要になります。
着物には、
- しなやかな着心地
- 軽さ
- 長時間着ても疲れにくい風合い
これらすべてを兼ね備えなければなりません。
そのため、糸の選定から設計、織りの密度、仕上げ加工まで、帯とは異なる高度な技術と経験が求められます。
「博多織らしさ」を残しながら、「着物として美しく着られる風合い」を生み出すことは、熟練した職人だからこそ実現できる仕事なのです。


生産量が少ない、希少な博多織
現在の博多織の生産の中心は帯です。
着尺を製作している織元は限られており、生産量も帯と比較するとごくわずかです。そのため、呉服店や展示会でも実際に目にする機会は多くありません。まさに「知る人ぞ知る」博多織の逸品といえるでしょう。
博多織着尺の楽しみ方
博多織着尺は、おしゃれ着として幅広く楽しむことができます。
街歩きやお食事、観劇、美術館巡り、旅行など、季節に合わせたコーディネートで着用すれば、上質な絹の光沢と織りの表情が装いをより美しく引き立ててくれます。
さらに、博多織の帯と組み合わせることで、産地ならではの統一感ある着こなしを楽しめるのも魅力です。


一度は袖を通していただきたい一枚
博多織着尺は、生産量が少なく、制作にも多くの時間と技術が必要なため、とても貴重な織物です。
だからこそ、一度袖を通していただくと、その軽やかな着心地や絹の美しい光沢、博多織ならではの上質な風合いを実感していただけます。
「帯の産地」として知られる博多織ですが、その技術の粋は着物にも息づいています。
ぜひ一度、博多織着尺の魅力を体感し、博多帯とのトータルコーディネートで、博多織ならではの世界をお楽しみください。
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