福岡・博多で、およそ780年にわたり受け継がれてきた「博多織」。
幾重にも重なる糸が生み出す豊かな表情、絹ならではの気品ある光沢、そして長い歴史の中で磨かれてきた織の技術。その一枚一枚には、日本のものづくりが積み重ねてきた時間と、美意識が息づいています。
筑前織物は1949年の創業以来、「伝統と革新」を大切に、博多織と向き合ってきました。

本物の帯地だからこそ、感じられる美しさ。
筑前織物のポーチやがま口などの小物づくりには、小物のためだけにつくられた生地は使用していません。
私たちが使用しているのは、実際に帯として織られた、本物の博多織の帯地そのものです。
帯として織り上げられた生地には、780年にわたり受け継がれてきた博多織の技法と、美意識がそのまま息づいています。
糸を織り重ねることで生まれる立体感。手にしたときに感じる独特の質感。そして、絹が放つ深く美しい光沢。
一般的な小物用の生地やプリントでは表現できない、本物の帯地だけが持つ豊かな表情があります。
私たちは、博多織の歴史や技術を、小さな製品の中にもそのまま残したいと考えました。
着物や帯を身につける機会が少なくなった現代だからこそ、博多織小物という身近なかたちを通して、780年続く博多織の技と美しさを感じていただきたい。
それが、筑前織物の小物づくりに込められた「本物へのこだわり」です。

捨てられるはずだったものに、新しい物語を。
一方で、織物づくりの過程では、どうしても帯として完成することのできない部分や、わずかな残布、残糸が生まれます。
私たちは、それらを単なる「余り」とは考えていません。
そこには、まだ美しい織があり、職人たちが生み出した時間があり、そして、まだ知られていない可能性があります。
帯として使われることのなかった博多織や、製作の過程で生まれた貴重な生地を、ポーチやがま口、バッグなど、現代の暮らしの中で新たな役割を持つ製品へと生まれ変わらせる。
それは、単なるリサイクルではありません。
素材が持つ価値を見つめ直し、新たな魅力を加えて次の世代へつないでいく、アップサイクルというものづくりです。
限りある素材を大切に使いながら、新しい価値を創造すること。
私たちは、博多織が持つ美しさを未来へつなぐために、「最後まで使い切る」という考え方を大切にしています。


帯から、テキスタイルへ。
筑前織物は、博多織を「帯」という枠だけにとどめるのではなく、ひとつの美しいテキスタイルとして考えています。
ファッションやバッグ、インテリア、建築、アート。
異なる分野との出会いや対話の中から、博多織にはこれまでになかった新しい可能性が生まれています。
780年受け継がれてきた伝統だからこそ、私たちは変化を恐れません。
伝統を守ることは、昔の形をそのまま残すことだけではないと考えています。
受け継いできた技術と美意識を大切にしながら、時代にふさわしい新しい価値を生み出していくこと。
一枚の帯地から生まれる、博多織小物たち。
その中には、博多で受け継がれてきた780年の歴史と、職人たちの技術、そして未来へ向かう新しいものづくりの想いが込められています。

伝統を、そのままに。 新しいかたちで、未来へ。
筑前織物は、博多織という美しいテキスタイルに、新しい物語を紡いでいきます。
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