新たなものづくりを求めて、新潟・十日町へ
筑前織物では、新たなオリジナル着尺づくりに向けて、新潟県十日町市や魚沼市を訪問しました。
新潟県は、日本有数のきもの産地として知られ、
- 十日町友禅
- 越後上布
- 小千谷縮(おぢやちぢみ)
- 十日町明石ちぢみ
- 十日町絣(がすり)
- 本塩沢
など、多彩な伝統工芸が受け継がれています。

また新潟は、「染め」と「織り」の両方の技法を活かした着物づくりが行われている、全国でも数少ない産地です。長い歴史の中で培われた高度な技術と、ものづくりへの情熱が今もなお受け継がれています。
博多織の帯に合う、オリジナル着尺を目指して
今回の訪問の目的は、筑前織物の博多織の帯と美しく調和するオリジナル着尺を制作することです。
現地では工場を見学させていただき、職人の皆様から製作工程やものづくりへのこだわりを直接伺いました。何度も打ち合わせを重ねる中で、今回の着尺づくりのテーマとなったのが**「色」**です。
博多織を代表するデザインの一つに**「五色献上」**があります。
五色献上に使われる五つの色には、それぞれ意味が込められており、博多織の歴史や文化を象徴する大切な存在です。
今回制作する着尺では、その五色を単純に配置するのではなく、一つひとつの色の濃淡や深みを丁寧に表現し、上品で奥行きのある一枚を目指しています。

さらに、生地には新潟を代表する織物である本塩沢の魅力も取り入れます。
本塩沢は、麻織物である越後縮の技法を応用し、絹糸に通常の約7~8倍もの強い撚りをかけた「八丁撚糸(はっちょうねんし)」を使用します。右撚り・左撚りの強撚糸を緯糸に織り込み、織り上げた後にぬるま湯の中で丁寧にもみ込むことで、美しい「しぼ」が生まれます。
この繊細なしぼが生み出すシャリ感とさらりとした風合いは、本塩沢ならではの魅力です。また、十字絣や亀甲絣(きっこうがすり)など、精緻な絣模様も織り込まれ、日本の伝統技術の高さを感じることができます。
博多織の帯と新潟の着尺。それぞれの産地が培ってきた技術を融合させることで、帯と着物がお互いを引き立て合う、筑前織物ならではの新しいコーディネートをご提案したいと考えています。
完成までには数か月を予定していますが、私たちも今から仕上がりをとても楽しみにしています。


新潟名物「へぎそば」も堪能
出張中には、新潟を代表する郷土料理「へぎそば」もいただきました。
へぎそばは、つなぎに海藻の一種である**布海苔(ふのり)**を使用していることが特徴です。つるりとしたのど越しと、しっかりとしたコシ、美しい艶が楽しめる、新潟ならではの味わいです。
また、「へぎ」と呼ばれる四角い木製の器に、一口ずつ食べやすく盛り付けられる美しい見た目も魅力の一つです。
今回は、筑前織物で活躍する新潟県出身のスタッフおすすめのお店を訪れ、本場のへぎそばを堪能しました。
風味豊かなそばを味わいながら、新潟ならではの食文化にも触れることができ、ものづくりだけでなく地域の魅力を存分に感じる貴重な時間となりました。
新たな価値を生み出す挑戦
筑前織物では、博多織の伝統を守り続けるとともに、全国の産地との交流を通じて、新たな価値づくりにも積極的に取り組んでいます。
今回の十日町・魚沼への訪問は、新しい商品づくりへの大きな第一歩となる、大変有意義な出張となりました。
完成した着尺は、博多織の帯との新しいコーディネートとして、皆様にご紹介できればと考えています。
完成の際にはホームページやSNSでもご紹介いたしますので、ぜひ楽しみにお待ちください。




