博多織

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帯の“耳”にまでこだわる、織元のものづくり

帯の“耳”にまでこだわる、織元のものづくり

博多織は、表の柄だけで価値が決まるわけではありません。

実は、織元や着物に詳しい方ほど見るのが、帯の両端にある「耳(みみ)」の部分です。

帯の耳とは、帯の端の細い部分のこと。
締めた時の美しさや、全体の品格にも関わる重要な部分です。

筑前織物では、この耳の仕上がりにも強いこだわりを持っています。

あえて“二回通す”という手間

通常であれば、一度で通すこともできる太さの緯糸(よこいと)。

しかし筑前織物では、あえてその緯糸を二つに分け、二回に分けて通す製法を行うことがあります。特に、博多らしい平地帯の場合。

一越(ひとこし)に対して、二回通す。

非常に手間のかかる方法です。

当然ながら、工程数は増え、制作時間も大きく変わります。

単純に考えても、この部分だけで時間は約二倍。

それでも、この作り方を続けている理由があります。

なぜそこまで手間をかけるのか

理由は、耳の美しさです。

二回に分けて丁寧に通すことで、

  • 耳のラインが整う
  • 厚みが均一になる
  • 締めた時の見え方が美しい
  • 帯全体に上質感が出る

といった違いが生まれます。

わずかな差に見えるかもしれません。

しかし実際には、この細部の積み重ねが、帯全体の品格を大きく左右します。

見えにくい部分”にこそ、織元の技術が出る

美しい柄は、誰でも目に入ります。

ですが、本当に手間をかけている帯ほど、耳や裏側、糸の通し方など、見えにくい部分に技術が現れます。

これは、着物の世界だけではありません。

建築でも、工芸でも、上質なものほど細部が美しい。

博多織も同じです。

効率だけでは作れない博多織

現代では、効率化や量産化が求められる時代です。

しかし、すべてを効率だけで考えると、どうしても失われる部分があります。

筑前織物では、見えない部分にも手間をかけることで、博多織本来の美しさを大切にしています。

締めた瞬間の「キュッ」という絹鳴り。

整った耳の美しさ。

高密度に織り上げられた張り感。

それらはすべて、一本一本の糸と向き合いながら生まれています。

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