博多織の仕事を離れたら、何をしている?
仕事だけでは見えない、博多織に携わる人の趣味や休日、ちょっとした日常にフォーカスします。
ものづくりの現場とは少し違う、「人」の一面を覗いてみるシリーズです。
博多織×釣り。博多織に携わる人の、仕事じゃない時間。
「博多織に携わっている人って、仕事が終わったら何をしているんだろう?」
ふと、そんなことを考えました。

普段は、営業と制作の間に入りながら、商品の企画やプロモーション、広告企画を考えたり。
異業種の方から相談を受けたり、東京や京都へ出張したり、催事に参加したり。
博多織工業組合の仕事があったり。
気がつけば、毎日なにかしら「博多織」に関わっています。
では、仕事から離れた時間は?
何をしているのか。
今回は、そんな「博多織の仕事をしている人のプライベート」を少しだけ。
20年ぶりに、釣りを始めました。
きっかけは、子ども。
「ルアー釣りがしたい。」
その一言で、久しぶりに釣具屋さんへ行くことになりました。
最後に釣りをしたのは……たぶん20年くらい前。
20年ぶりの釣具屋さん。
昔と比べて、いろいろ変わっている。
そして、さらに驚いたのが――
今はダイソーでも釣り具が揃う。
ロッド、リール、ルアー、仕掛けなど、釣りに必要なものが100円から手に入る。
「え、ここまで揃うの?」
20年前には考えもしなかった光景です。
もちろん本格的な釣具とは違いますが、これから釣りを始めてみようという人にとっては、ずいぶんハードルが下がったように感じます。
時代が変わったなぁ。
初心者セットを買って、夜の海へ。
とはいえ、今回は久しぶりの釣り。
まずは初心者セットとルアーを購入。
そして夜20時くらいから、近くの海へ。
久しぶりのルアー釣りです。
20年経っても、手は覚えていた。
久しぶりに釣り糸を結んでみる。
すると、不思議なことに手が結び方を覚えていました。
「あ、まだ覚えてる。」
20年という時間が経っていても、手は意外と覚えているものです。
これには少し驚きました。
博多織の仕事でも、職人さんが長年培ってきた「手」の感覚に驚くことがあります。
目で見ているだけでは分からない。
数字だけでも説明できない。
何度も繰り返すことで、身体に残っていく感覚。
そんなことを考えながら、釣り糸を結んでいました。
投げる。巻く。投げる。巻く。
夜の海。
ルアーを投げる。
巻く。
また投げる。
巻く。
これをひたすら2〜3時間。
魚が釣れなくても、投げて、巻いて、投げて、巻いて。
それだけ。
でも、なんとなく気持ちいい。
普段はパソコンを見ながら企画を考えたり、電話をしたり、東京や京都へ出張したり。
頭の中では次の仕事のことを考えている。
それが釣りをしている間は、
「今、魚いるかな?」
くらい。
それだけになる。
意外と、こういう時間がいいのかもしれません。
そして、釣れた。
最初の日。
釣れたのは、フグ。
「おお……釣れた。」

まずは一匹。
そして2回目。
今度はセイゴ。

3回目には、キチヌ。

そして4回目。
フッコ……?
もしかしてスズキ?

魚のことはまだまだ勉強中ですが、少しずつ釣れる魚が変わってきました。
まさか、20年ぶりに始めたルアー釣りで、こんなに釣れるとは。
正直、ちょっと嬉しい。
博多織と釣り。
ここまで書いておいて、
「博多織と釣りに何の関係があるの?」
と思われるかもしれません。
正直に言うと、直接的な関係はありません。
でも、少し似ているところがある気がします。
博多織も、釣りも、すぐに結果が出るわけではありません。
織る。
試す。
また織る。
釣りも、
投げる。
巻く。
また投げる。
巻く。
そして、ある瞬間に「きた!」となる。
結果だけを見ると一瞬ですが、その前にはたくさんの「繰り返し」があります。
……少し無理やりでしょうか(笑)。
伝統も、釣りも、時代とともに変わっていく。
ダイソーで釣り具が揃う。
100円から釣りを始められる。
20年前には当たり前ではなかったことが、今では当たり前になっている。
改めて考えると、時代はずいぶん変わりました。
そして、それは博多織も同じ。
昔から続いてきた技術や文化を大切にしながらも、時代に合わせて変わっていく。
新しい素材。
新しいデザイン。
新しい使い方。
新しい発信。
「伝統だから変えない」のではなく、
残すものと、変えていくもの。
その両方を考えることが、これからのものづくりには必要なのかもしれません。
……と、夜の海でルアーを投げながら、そんなことを少し考えました。
福岡には、仕事のすぐそばに海がある。
博多織の仕事をしていて、仕事場から少し車を走らせれば海がある。
博多織という伝統産業があり、街があり、そして海がある。
仕事では東京や京都へ行く。
工場では職人さんとものづくりをする。
そして仕事が終われば、子どもと海へ行ってルアーを投げる。
そんな日常も、福岡で博多織に携わる一人の時間です。
博多織のことだけを書かない。
これから筑前織物では、博多織のことをもっと発信していきたいと思っています。
帯のこと。
着物のこと。
工場のこと。
職人のこと。
商品のこと。
でも、それだけではなく、
「博多織に携わっている人は、どんな人なのか。」
そんなところも、少しずつ伝えていけたらと思っています。
仕事だけでは見えない部分。
休日のこと。
好きなこと。
ちょっとした息抜き。
そして、今回のような釣りのことも。
次は何が釣れるのか。
まだ初心者なので、しばらくは海にルアーを投げ続けてみようと思います。
博多織の話は、また次回。
……次は魚の話になるかもしれません。
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